旅行・美術・お花が大好き♪ブログ

旅行は基本的に個人旅行です。好きな物を好きなだけ見ていたいから❤美術はアンティーク調が好きです。西洋も東洋どちらも。歴史も好きなので、取り上げるかも♪お花も大好きなので、野草もバラも可愛い❤と思ったものを取り上げていきます。ちなみにバラは6株、育ててます

ボルゲーゼ美術館 アポロンとダフネの神話

こんにちわ

アポロンとダフネの神話を

自分の忘備録として書いとこうと思います

オウィディウスの「転身物語」に詳しく書かれて

いるけれど、底本が違うせいか、まちまちなので

自分なりにまとめたものです


それにしてもアポロン

最高神ユピテル(ゼウス)の息子で

跡取り的ポジションに君臨していて

かつ司る職能も太陽を初め多種多彩で

重要な神であり、永遠の若者で容姿も麗しいのに

恋にはあまり恵まれていない所が不思議です

一説によるとアポロンギリシアの若者が

自身を投影する対象として捉えていたようです。

そのため恋に対して不器用な側面が

付け加えられたのかもしれません

また世界的に神話を見ると

最高神はだいたい太陽の神であることが多いのに

ギリシア神話では最高神は雷の神です

これは気候によるためで

夏は太陽の日差しがあまりにも強烈であることから

雨と関連性の高い雷を最高神としたのでしょう

確かにイタリアに入ってから

アポロンの神が大活躍され続けたので

水をかなり飲みました



アポロンとダプネの神話】


ヒロインのダプネはテッサリア貫流する大河

ペネイオスの河神の娘。


太陽の神(他にもたくさんの職能をあわせ持つ)

アポロンがピュトンの大蛇を退治した手柄で

思いあがっていると弓弦を引き絞っているクピド

(キューピット)を見て、からかった。

「イタズラ好きのクピド(キューピット)よ。

 大人の持つ武器を

 オモチャにしてどうするというのだ?
  
 それを肩にかけるのは、この私にこそ相応しい。

 私ならば野獣や敵に

 確かな傷を与えることができる。

 君はせいぜい松明でも持って隠れた恋の通い路を

 照らすことに満足することだ。
 
 私と腕比べして名を争うなどと

 考えてはいけないよ」

ウエヌス(ビーナス)の息子クピド

(キューピット)は可愛い眉をあげて

「あなたの弓は全ての物を射抜くでしょう。

 でも僕の弓はあなたを射るのですよ。

 全ての生き物が神々に及ばないくらい

 あなたの誉れは僕の誉れにかないません」

そう言うやいなや羽ばたきながら空を翔け

パルナソスの峰に降り立つと

矢筒から二本の矢を取り出した。

一つは金で作られていて鋭い矢じりがきらめき

この矢を射掛けられた者は

恋心を否が応でもかきたたせられ

たちまちにして燃え上がる。

もう一つはなまくらで、矢の軸に鉛が込められ

この矢を射掛けられた者は

恋心を逃げ去らせ

ただ相手を厭わしく思うばかりとなる。

愛神クピド(キューピット)は金できらめく矢を

密かにアポロンめがけて射掛けると

アポロンの骨を貫き、髄にまで達した。

一方、鈍い光を放つ鉛の矢でダプネを射た。

アポロンはたちまちにして

恋の炎を燃え上がらせたが

ダプネは恋に興味を覚えるどころか

そんな風に自分が思われることさえ嫌がった

森の奥深くを好み、捕えた獣を手に喜んでいる

その様子はまるで月の女神にして処女神ディアナ

(ダイアナ)に崇拝しているかのようで

ダプネの乱れた髪を抑えているのも

わずかに一本のリボンだけだった。


アポロンは恋の虜となった。

垣間見たダプネと結ばれることを願い

ダプネのうなじに垂れかかる乱れ髪を眺めては

櫛をあてたらどうだろうと思う。

星のようにキラキラ輝く瞳を

可愛らしい口元をじっと見つめる

しかしダプネはそよ風よりも素早く逃げ去り

アポロンの言葉に耳をかさず足早に駆けて行く

「ペネイオスの娘よ、お願いだ、待ってくれ

 おまえを追っている私は敵ではない

 まるで狼に追われる子羊か

 獅子に追われる雌鹿のようだ
 
 あ、いけない

 前のめりに倒れたり

 脚を茨で傷つけでもしたら大変だ

 おまえが走っているのは、でこぼこ道だ

 頼むからそんなに急がずに。

 私としても、もう少し控え目に追うとしよう

 それにしても誰に恋されているのか

 考えてみることだ

 私は山の住人でもなく、羊飼いでもない

 家畜の群れの番をしている

 あらくれた男でもないのだ

 軽はずみなお嬢さん、  

 誰から逃げようとしているのか

 まるでわかっていない

 デルポイの地も、クラロスも、テネドスも

 パタラも私の支配に属している

 最高神ユピテル(ゼウス)が私の父だ

 未来、過去、現在は私の託宣によって明示され

 歌が弦に和するのも私の働きによってこそだ

 私は矢を外さないが

 私よりもいっそう的確な別の矢が

 もの想いを知らなかったこの胸に傷を与えた

 医術は私の発明であり薬草の効能も

 私が支配するところだ

 しかし何ということだろう

 恋だけはどんな薬草でも癒やされず

 万人に役立つ医術が

 その発明者に役立たないのだ」


よりいっそう語りたげなアポロンであったが

ダプネは怖がって逃げ去り

アポロンを置き去りにした

そんな時でもダプネは美しく見えた

逃げることでかえって美しさは増した

若い神アポロンは甘い言葉を費やすには

もう堪えられない想いで

ただ恋心の導くままに足を早めてあとを追った

アポロンの吐く息が

肩に散らばったダフネの髪を撫でたとき

ダプネは血の気を失い

父ペネイオスの河波が目に入ったので

「助けて、お父様」

と叫んだ。

「あまりにも恋い慕われるもとになった

 私のこの美しい姿を無くして

 別のものに変えてください」

その途端、ダフネの柔らかな腹部は

薄い樹皮で覆われ

髪は葉に、腕は枝に変わり

あんなに早かった足が不動の根となった

ただ輝くばかりの美しさだけが

もとのままに残っていた


それでもなおアポロンの恋心は変わらなかった

右手を幹に当てると

新しい樹皮の下にまだ心臓の鼓動が感じられた

その枝を人の体ででもあるかのように

腕に抱いて木肌に口づけする

しかしなお木はよじるように避けた。

その木に向かってアポロンは言った

「おまえは私の妻になりえないのだから

 せめて私の木になっておくれ

 愛しいダプネ(月桂樹)よ

 私の髪も竪琴も矢筒も  

 常におまえで飾られるだろう

 歓呼の声がわきたち、カピトリウムの丘に

 長い行進が見られる時

 名誉あるローマの将軍達の頭を飾るのも

 おまえだ

 私の頭がいつも若々しいように

 おまえも常緑の葉の美しさを保つが良い」

月桂樹は出来たばかりの枝でうなづき

まるで頭を動かすかのように

梢を揺るがしたかの様に見えた






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